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ツギクル「身だしなみ」のかたちは…アウェー型からホーム型へ

  • 小島 洋介

    アートディレクター

βutterflyの活動の一環の、毎月の定例会で学生と行なっているツギクルの議論。 この連載企画では、毎月行っている議論をサマライズして紹介していきます。 第12回目の記事は、ツギクル「身だしなみ」のかたちです。 「身だしなみ」とは、TPOに合わせて相手に不快感を与えないように立ち振る舞いや服装・髪型などに気を配ること。しかし、ニューノーマルの日常においてはそのTPOが一変。若者の身だしなみへの意識も変化します。例えば、面接というオケージョンにおいても、以前は直接対面。相手の領域に物理的に赴く、謂わば「アウェー」において全方位的に見られることに対応した身だしなみが必要でした。それが現在ではリモートにおける「ホーム」からのカメラを通して見せる身だしなみへと変化。 このようにオンラインコミュニケーションが主流となった今、他人の目線をコントロールする「演出権」を若者が手に入れました。これは主権が移動したといえます。SNSでの高い発信力や複数アカウントを使いこなしキャラを使い分けたりするなど、自己プロデュース能力の高い若者たち。彼らの新しい「身だしなみ」は100%頑張らないことであったり、ルッキズムに対する抵抗感であったり、これまでの慣習に縛られない自分らしさを表現した新しい「身だしなみ」が次々と生まれるでしょう。